広島亜鉛治療懇話会

11月29日(金)、広島亜鉛治療懇話会という研究会が行われましたので参加してきました。亜鉛は鉄・マグネシウムなどと共に最近注目されているミネラルで、普通の食生活や炎症を起こしている状態では不足しやすいとされています。近年亜鉛欠乏症に対する治療薬も発売され、その病態を知り対処することが求められつつあります。

「亜鉛欠乏性うつ」栄養士・杉原智子先生
・コンビニ食などの添加物で亜鉛排泄が増える(特にポリリン酸)。
・うつ状態では神経系で炎症が生じている。
・亜鉛には抗酸化作用がある。
・亜鉛による抗炎症作用もあり、うつの改善も期待できる。
・症例提示

「精神科栄養と亜鉛」草津病院・中津啓吾先生
・亜鉛欠乏:発汗でも起こりうる。
・鉄吸収と亜鉛吸収は競合する。
・亜鉛は銅吸収を阻害する。
・かならずしも味覚障害があるとは限らない。
・血液検査で見つかることが多い(80以下で潜在性亜鉛欠乏)。
・アルコール依存症で特に亜鉛欠乏が著明。

「栄養精神医学と亜鉛」医療法人山口病院精神科・奥平智之先生
・ALP値が低値であった亜鉛欠乏がないか疑ってみる。
 (ただし亜鉛を補って上がってくる人上がらない人まちまち)
・抗精神病薬や抗うつ薬は亜鉛吸収を妨げ、排泄促進。
・亜鉛欠乏は男性にも女性にもあり得る。
・亜鉛と銅は同時に測定する。
・そのとき銅が高値なら炎症の存在も考えられる。
・銅高値の人:衝動が強い傾向。
・亜鉛補充を継続していたら、鉄吸収が阻害されることあり。
・亜鉛欠乏性の貧血…意外とあるのでは?
・亜鉛:多くの代謝酵素に関与。
・具体的にはタンパク質代謝、アルコール分解、活性酸素除去など。
・鉄と亜鉛補充では消化器症状が出ることが多い。
・チェックリストの活用を。
・亜鉛は海馬に多い。
・爪甲白斑があれば亜鉛欠乏を強く疑う!
・「亜鉛は調整系」と心得る…脳神経の興奮や細胞死を調整。
・亜鉛/銅比の低下はメタロチオネインシステムの低下を疑う。
 (水銀に注意する)
・妊婦さんも鉄、亜鉛をしっかり摂る必要あり。
・認知症と亜鉛:抗酸化作用や抗炎症作用で進行抑制の可能性。
・うつと亜鉛:うつの人は亜鉛欠乏多い。
・ストレスや慢性炎症で亜鉛低下(肝臓に集まってしまう)。
・腸管にも亜鉛は大切(細胞分裂旺盛な臓器)。

非常に重要なミネラルであることは書籍を読んで理解していたつもりでしたが、その検査・解釈・治療・指導について、まだまだ向上の余地ありと考えました。味覚障害はなくとも亜鉛が欠乏していることも多く、当院での測定機会も増えてきています。これまで以上に注意しながら診療に当たってまいります。

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